銭は三界の首枷
読み方:ぜには さんがいの くびかせ
意味
金銭は生活に不可欠である一方、人をその獲得や不足への心配に縛りつけ、苦しませるものだというたとえ。「三界」は仏教でいう欲界・色界・無色界で、どの世界にいても銭への執着や金銭上の苦労から逃れにくいことをいう。
由来
「三界」は仏教の世界観における欲界・色界・無色界、「首枷」は罪人の首にはめて自由を奪う刑具を指す。これらを結び付け、金銭が人を束縛するさまを首枷にたとえた近世以来のことわざである。正確な初出年は明らかではないが、江戸時代に広まり、上方いろはかるたの「せ」の札としても伝えられた。
備考
現代の日常会話ではやや古風な表現。単に「金が大切」という意味ではなく、金銭への執着や金銭に伴う苦労が人を縛るという、戒めを含む言葉である。
別表記
- 銭は三界の首かせ
誤用・混同注意
- 「お金さえあれば何でも解決する」という意味で使うのは誤り。金銭が人を束縛し、苦しませることがあるという戒めである。
- 「三界」を単に三つの国や場所と解するのは不正確で、もとは仏教の欲界・色界・無色界を指す。
例文
- 借金の返済に追われる兄を見ていると、銭は三界の首枷という言葉を思い出す。
- 利益ばかりを追いかけて家族との時間を失っては、まさに銭は三界の首枷だ。
- 商売には資金が要るが、金のために不正へ手を染めれば、銭は三界の首枷になってしまう。
分類
類義語
- 金は仇なり
- 金の切れ目が縁の切れ目
- 地獄の沙汰も金次第
対義語
- 足るを知る
- 無欲は福
対比・対照ことわざ
- 金は天下の回りもの
- 地獄の沙汰も金次第