金は悪魔の糞
読み方:かね は あくま の ふん
意味
金銭そのもの、または金銭への過度な執着は、人の欲望をあおり、道徳心を失わせたり、争いや悪事を生んだりする恐ろしいものだというたとえ。金の価値を全面的に否定するというより、拝金主義や金に支配されることを強く戒める表現である。
由来
16世紀のドイツ宗教改革者マルティン・ルターの言葉として広く伝わる、ドイツ語の「Geld ist der Kot des Teufels(貨幣は悪魔の糞)」に由来するとされる。日本ではその翻訳として定着した。ルターの発言としての正確な初出文献・年代は確定しにくいが、ルターが活動した16世紀前半の思想を背景とする表現である。
備考
強い嫌悪感を伴う表現であり、日常会話では冗談めかして使われることもある。金銭そのものを否定するより、金欲に支配されて人道を失うことへの警句として用いるのが適切。
別表記
- 金銭は悪魔の糞
- 金は悪魔の糞である
誤用・混同注意
- 聖書にそのまま出てくる言葉だとするのは不正確。聖書には「金銭の愛は、すべての悪の根である」(テモテへの手紙一 6章10節)に当たる趣旨の記述があるが、「金は悪魔の糞」は一般にルターの言葉とされる。
- 金銭を持つことや、正当に利益を得ることまで否定する意味だと解するのは狭すぎる。主に、金への過度な執着や、それが招く腐敗を戒める表現である。
例文
- 賄賂に手を染めた彼を見ていると、「金は悪魔の糞」という言葉を思わずにはいられない。
- 利益だけを追い求めて顧客をだます商売は、金は悪魔の糞だという戒めを忘れた行為だ。
- 金は悪魔の糞ともいうが、金そのものではなく、その使い方や執着の度合いが問題なのだろう。
分類
類義語
- 金は諸悪の根源
- 金銭は悪魔の糞
対義語
- 金は天下の回りもの
- 金は命の親
対比・対照ことわざ
- 金は天下の回りもの
- 金は命の親