金は天下の回り持ち
読み方:かね は てんか の まわりもち
意味
金銭は特定の一人や一家だけが永久に持ち続けるものではなく、世の中の人々の間を巡り、順番に手元へ来るものだというたとえ。今は金がなくても、働きや取引などを通じて得る機会は巡ってくるという意味で用いる。また、金を独占せず社会の中で生かすことの大切さをいう場合もある。
由来
「回り持ち」は、人々が順番に持つことを意味する語。このことわざは江戸時代(17~19世紀)に成立・流布したとされる。作者や正確な成立年、特定の典拠は不明である。商業や貨幣経済が発達した江戸の町人社会において、金銭が人から人へ流通する性質を表した表現と考えられる。
備考
現在は「金は天下の回り物」とも広くいう。「天下」は政府や国家そのものではなく、この世・世間全体の意。浪費しても必ず金が戻るという保証を表す言葉ではない。
別表記
- 金は天下の廻り持ち
- 金は天下の回り物
- 金は天下の回りもの
- 金は天下の廻り物
補足
- 「回り持ち」を「回り物」の誤用だとするのは不正確。「回り持ち」も辞書に見られる古い形である。
- 「何もしなくても金は必ず自分の所へ戻る」という意味に解するのは不正確。金銭が社会の中を人から人へ流通することをたとえた言葉である。
例文
- 商売には浮き沈みがあるが、金は天下の回り持ちという。今は苦しくても、誠実に仕事を続けよう。
- 祖父は臨時収入を得た父に、「金は天下の回り持ちだ。独り占めせず、周りにも還元しなさい」と言った。
- 一社に利益が集中していても、取引や消費を通じて資金は動く。まさに金は天下の回り持ちだ。
分類
類義語
- 金は天下の回り物
- 金は天下の回りもの
- 金は回り物