越犬雪に吠ゆ
読み方:えっけん ゆきに ほゆ
意味
見聞が狭く、未知の物事や珍しい事柄を怪しんだり、むやみに非難したりすることのたとえ。雪を見慣れない中国南方・越の犬が、雪を異常なものと思って吠えるという話に基づく。
由来
中国・唐代の文学者、柳宗元(773~819)の文章「答韋中立論師道書」に由来する。永州に流された柳宗元が、南方では雪が珍しく、大雪が降った際に土地の犬が驚いて何日も吠えたという見聞を記した。これが「粤犬(越犬)吠雪」として成句化し、日本では「越犬雪に吠ゆ」として用いられる。文章の成立は唐・元和年間(9世紀初め、812~813年頃とされる)。
備考
中国の故事に基づく、文章語的でやや難しい表現。無知や視野の狭さを批判する強い含みがあるため、特定の相手に直接向ける際は注意が必要。
別表記
- 粤犬雪に吠ゆ
- 越犬雪に吠える
- 粤犬雪に吠える
誤用・混同注意
- 「越犬」を『何かを越えて行く犬』の意味に取るのは誤り。中国南方の越(粤)の土地にいる犬を指す。
- 雪に吠える犬の勇敢さや警戒心を褒めることわざではない。見慣れないものを理解せず怪しむ、見識の狭さをいう。
例文
- 新技術をよく調べずに危険だと決めつけるのは、越犬雪に吠ゆというものだ。
- 異文化の習慣を見てすぐに奇妙だと笑う態度は、越犬雪に吠ゆに等しい。
- 事情を知らないまま新しい制度を非難するのは、まさに越犬雪に吠ゆだ。
分類
類義語
対比・対照ことわざ
- 蜀犬日に吠ゆ
- 夏虫氷を疑う