蟻の甘きに集まるが如し
読み方:あり の あまき に あつまる が ごとし
意味
利益やうまみ、魅力のある所へ、多くの人が競うように集まること。蟻が甘い物に群がる姿にたとえた表現で、利権やもうけ話などに人が殺到する様子を、やや批判的な含みをもっていうことが多い。
由来
蟻が砂糖などの甘い物に群がる自然の姿を、人が利益のある所へ集まる様子に見立てた日本のことわざである。正確な成立年や初出の文献は未詳。ただし、江戸時代に作られた尾張いろはかるたの「あ」の札として知られており、少なくとも江戸時代には定着していたとみられる。
備考
「の」は古語で主格を表す用法で、「蟻が甘い物に集まるように」の意。現代では文語的な表現であり、利欲や流行に人が群がる様子を批判的に述べる際に使われやすい。
別表記
- 蟻の甘きに集まるがごとし
誤用・混同注意
- 「甘き」を単に「甘い言葉」や「親切」の意味に限定するのは不十分。ここでは主に利益・うまみ・人を引きつける魅力を指す。
- 「蟻の穴から堤も崩れる」と混同しない。前者は人が利益に群がること、後者は小さな欠陥が大きな破綻を招くことをいう。
例文
- 利権の話を聞きつけた人々は、蟻の甘きに集まるが如く、その町へ押し寄せた。
- 新しい補助金制度が発表されると、関連業者からの問い合わせが蟻の甘きに集まるが如く殺到した。
- 限定品が発売される店の前には、客が蟻の甘きに集まるが如く長い列を作っていた。
分類
類義語
- 甘い汁に群がる
- 人は利に集まる
- 利のある所に人は集まる
対義語
- 君子は義に喩り、小人は利に喩る
対比・対照ことわざ
- 君子は義に喩り、小人は利に喩る
- 天下熙熙皆為利来、天下攘攘皆為利往