蝮の子は蝮
読み方:まむし の こ は まむし
意味
毒をもつ蝮からは蝮が生まれるように、親の悪い性質・行い・家風などは子にも受け継がれやすい、というたとえ。特に、悪人や問題のある親の子も同じように悪くなる、と見なす否定的な意味で用いる。
由来
毒蛇である蝮の子も蝮になるという身近な観察を、人間の親子にたとえた日本のことわざである。親子の性質や行いの類似を、とりわけ悪い面について表すようになった。正確な成立時期・初出は未詳だが、古くから伝わる俗諺であり、上方いろはかるたの「ま」の札としても知られる。
備考
「蝮」の毒々しいイメージから、ほめ言葉には通常用いない。親の行為を理由に子を一律に評価する偏見を含みうるため、現代では使用場面に注意が必要である。
別表記
- まむしの子はまむし
- マムシの子はマムシ
誤用・混同注意
- 親子の性格や能力が必ず遺伝によって同一になる、という科学的な断定として受け取るのは適切ではない。比喩的に、親子が似た悪い行いをすることをいう。
- 親の優れた性質を受け継いだ子をほめる表現として使うのは一般的ではない。「蝮」のイメージにより、通常は非難・悪評の文脈で使う。
例文
- 小説では、悪党の父の跡を継いで悪事を働く息子を見て、村人たちは「蝮の子は蝮だ」とささやいた。
- 父親の不正だけを理由に息子まで疑うのは、蝮の子は蝮という決めつけになりかねない。
- 祖父も父も乱暴で、彼自身も周囲を脅していたため、「蝮の子は蝮」と評する人もいた。
分類
類義語
- 蛙の子は蛙
- 瓜の蔓に茄子はならぬ
- 親が親なら子も子