苦肉の謀
読み方:くにく の はかりごと
意味
自分や味方にあえて苦痛・損害を負わせたり、不利な立場に置いたりして、相手を信用させたり油断させたりする策略。また、転じて、苦しい状況でやむを得ず考え出す、一時しのぎの苦心の策をいう。
由来
中国の赤壁の戦いにまつわる故事に由来する。『三国志演義』(明代・14世紀ごろ成立)では、呉の周瑜と黄蓋が、黄蓋をわざと厳しく打ちすえる芝居をして曹操を信用させ、火攻めを成功させた。このように自らを傷つけて敵を欺く「苦肉計」が、「苦肉の謀」「苦肉の策」として定着した。
備考
本来は、自分や味方をあえて苦しませ、その事実を利用して相手をだます計略を指す。現代では、苦境から脱するための「やむを得ない策」の意味で広く用いられる。
別表記
- 苦肉の策
- 苦肉の計
誤用・混同注意
- 「苦肉」を単に肉体的な苦痛の意味だと解するのは不正確。本来は、自分や味方に苦痛・損害を与えることまで利用して相手を欺く策をいう。
- 単なる名案・妙案の意味で使うのは不適切。苦境の中での、やむを得ない策略という含みがある。
例文
- 資金不足を乗り切るため、会社は主力商品の値下げという苦肉の謀に出た。
- 敵に内紛が起きたと思わせる苦肉の謀を用い、相手の警戒を解いた。
- 人員を減らして事業を継続するのは苦肉の謀だったが、倒産は免れた。
分類
類義語
- 苦肉の策
- 苦肉の計
- 窮余の策
- 窮余の一策
対義語
- 正攻法
- 王道