苦海無辺、回頭是岸
読み方:くかいむへん、 えとうぜがん
意味
苦しみや迷いに満ちた俗世(苦海)は果てしないように思える。しかし、誤った行いや執着から心を翻し、仏道・正しい道へ向かえば、そこに悟りや救いの岸がある、という意味。過ちを改めるなら、いつでも立ち直る道はあるという教えである。
由来
中国の仏教、とくに禅宗系の語として広まった句である。「苦海」は生死や煩悩に苦しむこの世を海にたとえた仏教語、「回頭是岸」は心を翻して迷いを離れれば、そこが悟りの岸であるという意。宋代(10~13世紀)以降の中国禅語録・仏教文献に見られる表現とされるが、全句の厳密な初出年は不明。日本には漢文・仏教語として伝わった。
備考
漢文調の仏教的な格言で、日常会話ではやや硬い表現。「回頭」は単に振り返ることではなく、迷いや悪行から心を転じることをいう。相手を一方的に責めたり改心を強要したりする文脈には注意したい。
例文
- 何度失敗しても、悪い習慣を断とうと決めたその日が出発点だ。苦海無辺、回頭是岸というではないか。
- 彼は過去の不正を認めて償いを始めた。苦海無辺、回頭是岸の言葉どおり、改心して新たな道を選んだのだ。
- 周囲は彼女を責めるだけでなく、苦海無辺、回頭是岸の精神で、立ち直る機会も与えるべきだ。
分類
類義語
- 回心
- 改心
- 放下著
- 一念発起