膝元去らず
読み方:ひざもと さらず
意味
父母のそばを離れず、身近で世話をして孝養を尽くすこと。親が存命の間はむやみに遠方へ出ず、親を大切にすべきだという、親孝行の教えを表す。現代では、単に親元を離れないという意味で用いられることもある。
由来
中国古典の『論語』里仁篇にある「父母在、不遠遊、遊必有方(父母在せば遠く遊ばず、遊ぶに必ず方あり)」という教えを踏まえた表現とされる。『論語』は春秋時代の孔子の言行を弟子らがまとめた書で、成立はおおむね紀元前4〜3世紀ごろとされる。日本語のことわざとしての正確な成立時期は不明だが、尾張いろはかるたの「ひ」の札として伝わる。
備考
親元を離れず孝行することを肯定的にいう古風な表現。現代では日常会話で使われることは少なく、地域かるたや古典的な文脈で見られる。単なる「自立できない」の意味に限定しない。
別表記
- 膝元を去らず
- 膝許去らず
誤用・混同注意
- 「親元を離れず自立しない人」を非難する意味だけで解するのは不十分。本来は、父母のそばで孝養を尽くすという肯定的な教えである。
例文
- 高齢になった両親を支えるため、彼は膝元去らずで実家の近くに暮らしている。
- 昔は、父母に孝養を尽くす膝元去らずの姿が、子としての大切な務めと考えられた。
- 進学で上京するか迷ったが、祖父は若いころ膝元去らずで親の世話をしたと語った。
分類
類義語
- 父母在せば遠く遊ばず
- 親孝行
対義語
- 親元を離れる
- 可愛い子には旅をさせよ