網を呑む魚
読み方
あみ を のむ うお意味
網までも呑み込んでしまうほどの大きな魚の意から、普通の枠・手段・規則では扱いきれないほど大きな器量や力量をもつ人物、または捕らえにくい大物をたとえる表現。文脈によって、称賛にも警戒の意味にも使われる。由来
正確な初出年は不明。大魚を大人物や大悪人にたとえる中国古典の比喩、特に『史記』酷吏列伝に見える「法網が舟を呑むほどの大魚を漏らす」という趣旨の表現や、「呑舟の魚」の発想と同系統と考えられる。『史記』は前1世紀ごろ成立。日本では近世以降、漢籍由来の譬喩としてことわざ的に用いられたとみられる。備考
古風で硬い文章語。日常会話ではまれ。称賛としての「大人物」と、法や組織で捕らえにくい「大物」という否定的含みの両方がある。例文
- あの起業家はまさに網を呑む魚で、一つの業界に収まる器ではない。
- 普通の規則で彼を縛ろうとしても無理だ。網を呑む魚のような人物だから、もっと大きな裁量を与えるべきだ。
- その若手投手は高校野球の枠を超えた網を呑む魚として、全国のスカウトから注目された。
- 捜査網を広げても黒幕には届かず、網を呑む魚のように逃げられてしまった。
- 小さな部署に置いておくには惜しい。彼女は網を呑む魚だから、海外事業を任せてみよう。
類義語
- 呑舟の魚
- 大魚は小池に棲まず
- 大物
- 規格外の人物
対義語
- 井の中の蛙
- 小物
- 雑魚