絶景というは樽肴ありてこそ
読み方:ぜっけい というは たるざかな ありてこそ
意味
どんなにすばらしい眺めでも、酒と肴を添えて楽しんでこそ、いっそう趣深い本当の絶景になるということ。景色だけでなく、飲食や仲間との楽しみなど、その場の風情が大切だという、行楽や酒宴に関するしゃれた言い方である。
由来
江戸時代に作られた尾張いろはかるたの「せ」の札として知られる句である。句そのものの作者、初出文献、正確な成立年は不詳であるが、尾張地方で伝承されたかるたの文句として定着した。特定の古典文学作品を出典とするものではない。
備考
「樽肴」は酒樽と肴、転じて酒と料理をいう。尾張いろはかるたでは「せ」の札に配される。現代の標準的な「絶景」の読みは「ぜっけい」であり、行楽や花見で冗談めかして用いる。
別表記
- 絶景といふは樽肴ありてこそ
誤用・混同注意
- 「樽肴」を「酒樽そのものを肴にすること」と解するのは不正確。酒樽と肴、転じて酒と料理を指す。
- 「樽肴」を「たるさかな」と読むのは誤りで、読みは「たるざかな」。
- 景色だけでは価値がないという厳密な否定ではなく、酒や食事を添えた行楽の楽しさを強調するユーモラスな表現である。
例文
- 山頂で弁当と地酒を広げた父は、「絶景というは樽肴ありてこそだ」と満足そうに言った。
- 桜を眺めながら仲間と杯を交わし、絶景というは樽肴ありてこそ、と花見を楽しんだ。
- 景勝地に着くなり食事の場所を探す彼は、「絶景というは樽肴ありてこそ」が信条らしい。