秘すれば花
読み方
ひすれば はな
意味
芸や物事の魅力は、すべてを見せたり説明したりせず、あえて一部を秘めておくことで生まれる、という意味。奥行きや謎、余韻があるからこそ人の興味を引き、価値が高まるという考え方をいう。
由来
室町時代前期、能を大成した世阿弥の能楽論書『風姿花伝』(1400年頃から1418年頃にかけて成立)の言葉とされる。原文は「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」で、芸の奥義や演出上の工夫をむやみに明かさないことが、芸の「花(魅力)」になるという趣旨である。
分類・由来
備考
本来は能楽・芸道における美意識を表す言葉。現代では演出、創作、交渉などにも広く用いる。ただし、不正や必要な情報の隠蔽を肯定する意味ではない。
例文
- 新作映画の結末をあえて予告編で明かさない演出は、まさに「秘すれば花」だ。
- 作品には説明しすぎない余白が必要だ。秘すれば花というように、観客が想像できる部分を残したい。
- 交渉の場で最初から手の内をすべて見せないのも、場合によっては秘すれば花と言えるだろう。
類義語
- 秘してこそ花
- 能ある鷹は爪を隠す
- 含蓄を持たせる
対義語
- 隠し事はせぬが花
- 包み隠さず