神は死んだ
読み方
かみ は しんだ
意味
ドイツの哲学者ニーチェの言葉。神そのものが文字どおり死んだという意味ではなく、近代社会ではキリスト教の神を中心とする絶対的な道徳・価値観が人々を支える力を失った、という認識を表す。従来の価値が崩れた後、人間が自ら新しい価値を創造する責任を負うことも示している。
由来
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェが著した『悦ばしき知識(Die fröhliche Wissenschaft)』第125節「狂人」(1882年初版)に見られる表現である。作中の狂人が「神は死んだ。われわれが神を殺した」と叫ぶ場面に由来する。日本語では「神の死」とも呼ばれ、近代以後の宗教・道徳・価値観の変容を論じる哲学用語として定着している。
分類・由来
備考
日常会話のことわざというより、哲学・思想を論じる場面で用いる表現。「神が存在しない」とだけ訳すと本来の文脈を狭めるため、価値体系の失効という意味を踏まえる必要がある。
例文
- 近代化によって伝統的な信仰が弱まる状況を、ニーチェは「神は死んだ」と表現した。
- 「神は死んだ」という言葉は、無神論を単純に宣言したものではなく、価値観の根拠が失われたことへの問題提起である。
- 授業では、「神は死んだ」後の時代に人間はいかに生きるべきか、というニーチェの問いを議論した。
類義語
- 神の死
- 神は死んでしまった
対義語
- 神は生きている
- 神は不滅である