相濡るるよりは江湖に忘るるに如かず
読み方:あいぬるる よりは こうこ に わするる に しかず
意味
苦境で互いにわずかな助けを与え合って生き延びるよりも、そもそも各自がのびのびと暮らせる豊かな環境に身を置き、互いを意識せず自然に生きるほうがよい、という意味。過度に依存し合う関係より、束縛のない自立したあり方を尊ぶたとえ。
由来
中国の思想書『荘子』「大宗師」篇にある「泉涸れ、魚相与に陸に処り、相呴して湿し、相濡らすに沫を以てするは、江湖に相忘るるに如かず」に基づく。戦国時代(紀元前4~3世紀頃)に成立したとされる『荘子』の思想を出典とし、水の枯れた泉で魚が泡や息で互いを潤す姿と、川や湖で自由に泳ぐ姿を対比している。
備考
「江湖」は川や湖、転じて自由で豊かな世界を指す。互助を否定する言葉ではなく、窮状での依存を続けるより根本的に自由・自立できる状態が望ましい、という文脈で用いる。古典語的で日常会話ではまれ。
例文
- 資金難のたびに部署間で無理な融通を続けるより、十分な予算と人員を確保するほうがよい。相濡るるよりは江湖に忘るるに如かず、ということだ。
- 親子であっても過度に依存し合うのではなく、それぞれが安心して自立できる環境を整えたい。相濡るるよりは江湖に忘るるに如かずということだ。
- 被災者への一時的な助け合いは大切だが、長期的には自力で暮らせる基盤をつくるべきだ。相濡るるよりは江湖に忘るるに如かずと言える。
分類
類義語
- 江湖に相忘る
- 君子の交わりは淡きこと水の如し
対義語
- 相濡れ以沫(あいぬれもってあわ)
- 相互扶助