生け簀の鯉
読み方
いけす の こい意味
生け簀に入れられた鯉のように、自分の運命を他人に握られ、逃げることも抵抗することもできない状態のたとえ。特に、処分や不利な結果を待つしかない立場をいう。由来
「生け簀」は魚を生かしておくための水槽・囲いのこと。そこに入れられた鯉は外へ逃げられず、やがて料理される運命にあることから、他人に運命を支配される状態のたとえとなった。成立時期は不詳だが、近世以降の魚食文化や料理屋の生け簀の習慣を背景に広まった表現と考えられる。備考
「俎上の魚」「まな板の上の鯉」と近いが、より“捕らえられて自由がない”感じが強い。やや古風で文章語的にも使われる。例文
- 契約書に判を押してしまった以上、こちらはもう生け簀の鯉だ。
- 証拠をすべて押さえられ、彼は取調室で生け簀の鯉のように黙り込んだ。
- 大企業に買収されてから、子会社の社長は生け簀の鯉も同然だった。
- 逃げ道を全部ふさがれて、犯人はまさに生け簀の鯉となった。
- 人事異動の発表を待つだけの私たちは、生け簀の鯉の気分だった。
類義語
- 俎上の魚
- 袋の鼠
- 籠の鳥
- 逃げ場がない
- まな板の上の鯉
対義語
- 自由の身
- 虎口を逃れる
- 窮地を脱する