火事と喧嘩は江戸の花
読み方:かじ と けんか は えど の はな
意味
江戸の町では、木造家屋が密集していたことなどから火事が多く、また町人同士の威勢のよさから喧嘩も起こりやすかった。そのような火事や喧嘩さえ、江戸ならではのにぎわい・名物であるかのように言い表したことば。実際に火事や暴力を勧めたり、賞賛したりする意味ではない。
由来
江戸時代の江戸の町に由来する。江戸は人口が集中した木造建築の都市で、空気が乾燥する冬や強風時には大火が起こりやすかった。また、町火消の活躍や江戸っ子の気っ風の強さも、火事・喧嘩を「江戸らしさ」と結び付ける背景となった。成立した正確な年は不明だが、江戸時代中期から後期(18~19世紀)に広まった表現とされる。
備考
「花」は「華」とも書く。火事や喧嘩そのものを美しいものとして褒める表現ではなく、江戸の荒っぽさやにぎわいを、誇張や皮肉を交えて表した語である。現代では主に歴史・文化の文脈で用いる。
別表記
- 火事と喧嘩は江戸の華
誤用・混同注意
- 火事や喧嘩を積極的に美化・推奨することばだと解するのは適切ではない。江戸で頻発した出来事を、江戸らしい活気や気風として誇張・皮肉を交えて表したもの。
例文
- 江戸を舞台にした小説では、「火事と喧嘩は江戸の花」というように、町火消と町人たちの活気が描かれている。
- 当時の江戸の人々は、頻発する火事を「火事と喧嘩は江戸の花」と、半ば自嘲的に語ることもあった。
- この資料館の展示は、「火事と喧嘩は江戸の花」といわれた江戸の都市生活を紹介している。