溺れた犬は棒で打て
読み方:おぼれた いぬは ぼうで うて
意味
弱って窮地に陥っている敵や競争相手に対して、情けをかけず、さらに攻撃を加えて徹底的に打ち負かすべきだ、という意味。転じて、相手の失敗や不調に乗じて厳しく追い詰めるやり方をいう。実際に犬を虐待する意味ではない。
由来
イギリスに伝わることわざを日本語に訳した表現とされる。弱った相手を逃さず完全に打ち負かすという、競争や対立における非情な処世観を表す。原語の作者・正確な成立時期は不明で、日本語としていつ定着したかも明確ではない。
備考
現代では冷酷・非人道的な方針を批判的に表す場合も多い。動物への暴力を勧める言葉ではなく、主に敵対者や競争相手への苛烈な対応の比喩として用いる。
別表記
- 溺れる犬は棒で打て
- おぼれた犬は棒で打て
誤用・混同注意
- 「弱っている者を助けずに見捨てる」という意味ではない。正しくは、窮地の相手にさらに攻撃を加えて徹底的に打ち負かすという意味。
- 「弱り目に祟り目」のように、不運が重なることを表す言葉だと解するのは不正確。こちらは攻撃する側の意図的な行為を含む。
例文
- 競合会社が資金難に陥ったときに大幅値下げを仕掛けるのは、まさに「溺れた犬は棒で打て」という発想だ。
- 彼は失敗した部下を必要以上に責め立て、溺れた犬は棒で打てと言わんばかりの態度を取った。
- 選挙で相手候補の失言が出た後、陣営が一斉に批判を強めた。溺れた犬は棒で打てという戦術なのだろう。
分類
類義語
- 落ち目に石を投げる
- 弱みに付け込む
- 傷口に塩を塗る
対義語
- 敗軍の将を殺さず
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
- 弱きを助け強きを挫く
対比・対照ことわざ
- 敗軍の将を殺さず
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さず