汝の敵を愛せよ
読み方:なんじ の てき を あいせよ
意味
自分に害を与えたり敵対したりする相手に対しても、憎しみや報復で応じるのではなく、慈しみをもって接し、赦し、相手の幸福を願うべきだという教え。単に敵に従うという意味ではなく、憎悪の連鎖を断つための愛と非暴力を説く言葉である。
由来
新約聖書にあるイエス・キリストの教えに由来する。『マタイによる福音書』5章44節の「あなたがたの敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」などを踏まえた表現である。福音書はおおむね紀元1世紀後半(マタイ福音書は80~90年頃とされる)に成立したと考えられている。日本語の「汝の敵を愛せよ」は、聖書翻訳などを通じて定着した文語的な言い回しである。
備考
キリスト教由来の文語的表現で、「汝」は現代語ではほとんど使わない。「敵を無条件に信用せよ」という意味ではなく、憎悪や報復を避ける倫理を表す。日常会話では「敵を愛しなさい」と言い換えられることもある。
例文
- 意見の対立した相手をただ攻撃するのではなく、「汝の敵を愛せよ」という姿勢で対話の道を探った。
- 彼は裏切った友人をすぐには許せなかったが、汝の敵を愛せよという教えを思い出し、復讐を選ばなかった。
- 汝の敵を愛せよという言葉は、争いを終わらせるには憎しみを返さない勇気も必要だと教えている。
分類
類義語
- 右の頬を打たれたら、左の頬も向けよ
- 敵のために祈れ
- 悪に悪をもって報いるな
対義語
- 目には目を、歯には歯を
- やられたらやり返す
- 怨みに報いるに怨みをもってす