氷に座す
読み方:こおり に ざす
意味
氷の上に座れば、氷が割れて水中に落ちるおそれがあることから、きわめて危険で不安定な状況に身を置くことのたとえ。少しの失敗や状況の変化で、大きな危機に陥りかねない状態をいう。
由来
氷の上に人が座ると、その重みで氷が割れ、水に落ちる危険があるという身近な情景から生まれた比喩表現である。特定の中国古典などを典拠とする説は一般的ではなく、文献上の正確な初出や成立年代は不詳。日本で用いられてきたことわざ・慣用的表現として定着した。
備考
現代では「薄氷を踏む」のほうが広く使われる。「氷に座す」は、単に非常に寒いことではなく、危険で不安定な立場・状況を表す。
別表記
- 氷に坐す
誤用・混同注意
- 「非常に寒いこと」を表す語として解するのは誤り。通常は、氷が割れるおそれのある危険・不安定な状況をいう。
- 「薄氷を踏む」と近い意味だが、「氷に座す」を『慎重に行動すること』の意味で使うのは誤り。
例文
- 資金を一つの取引先に頼り切る経営は、氷に座すような危うさを抱えている。
- 補給も通信手段もないまま冬山に入るのは、氷に座すに等しい行為だ。
- 支持基盤が崩れかけた政権は、氷に座すような不安定な状況に置かれていた。