未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん
読み方:いまだ せいを しらず、いずくんぞ しを しらん
意味
生きることの意味や、人として果たすべき務めを十分に理解していないのに、死後や死の本質を論じても分からない、という意味。まず現実の生と人間関係を真剣に生きることが先であり、死についての問いはその後に考えるべきだという教え。
由来
中国の古典『論語』の「先進」篇にある孔子の言葉。弟子の子路が死について尋ねた際、孔子が「未知生、焉知死(未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん)」と答えたとされる。孔子は紀元前551年頃〜紀元前479年の人物で、『論語』はその没後、戦国時代(おおむね紀元前5〜3世紀)に弟子・後学によって編纂されたと考えられている。
備考
『論語』由来の漢文調の警句で、日常会話より文章・講演などで用いられる。死を考えること自体を否定するのではなく、まず「生」を理解し充実させるべきだという文脈の言葉。
例文
- 死後のことばかりを不安がる彼に、先生は「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん」なのだから、まず今日を大切に生きなさいと諭した。
- 人生の目的を見失ったまま死の意味だけを問うのは、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん、ということかもしれない。
- この言葉は、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らんという孔子の姿勢、つまり生きている人間への責任を優先する考えを示している。
分類
類義語
- 未だ人に事うること能わず、焉んぞ能く鬼に事えん