山川草木悉皆成仏
読み方:さんせんそうもく しっかい じょうぶつ
意味
山・川・草・木など、生命をもたないとされる自然界のものまで、すべてが仏となる可能性、または仏の真理を現しているという仏教思想。人間だけを特別視せず、自然や環境を尊重する見方を表す。
由来
中国天台教学を受け継いだ日本天台宗の「草木成仏」思想に基づく表現である。平安時代初期、最澄が弘仁8年(817年)頃に著した『法華秀句』に見える「草木国土悉皆成仏」が代表的な典拠とされる。「山川草木悉皆成仏」は、その思想を山や川を含めて言い表した定着した言い方である。
備考
日常会話のことわざというより、仏教、とくに天台宗の思想を表す語。草木が人間のように意識して修行するという意味ではなく、非情の自然界にも仏の真理が及ぶとする教説である。
例文
- 「山川草木悉皆成仏」という考え方は、自然を単なる利用対象ではなく、敬意を払うべき存在として見る姿勢につながる。
- 寺の住職は、庭の石や苔を手入れしながら、山川草木悉皆成仏の教えを子どもたちに説いた。
- 環境保全について考える際にも、山川草木悉皆成仏という仏教的な自然観は一つの示唆を与える。
分類
類義語
- 草木国土悉皆成仏
- 一切衆生悉有仏性
- 山川草木皆成仏