尻子玉を抜く
読み方:しりこだま を ぬく
意味
本来は、河童が人を水中に引き込み、尻にあると信じられた「尻子玉」(魂・生命力)を抜き取るという民間伝承をいう。転じて、人をひどく怖がらせたり驚かせたりして、気力を失わせること。受け身の「尻子玉を抜かれる」は、恐怖や衝撃でぐったりする意にもいう。
由来
河童が人を川や淵に引き込み、肛門から尻子玉という霊的なものを抜くとする日本各地の民間伝承に基づく。尻子玉の観念がいつ成立したかは不明だが、河童に関するこの種の伝承は中世から近世にかけて形成され、江戸時代(17~19世紀)には広く語られていた。
備考
現代の日常会話で使われることはまれで、河童伝承の説明や怪談調の比喩として用いる。肛門に関わる表現のため場面を選ぶ。受け身の「尻子玉を抜かれる」の形も多い。
別表記
- 尻小玉を抜く
- しりこだまを抜く
補足
- 「尻子玉」を実在する臓器や睾丸の名称と解するのは誤り。河童伝承で人の尻にあると考えられた魂・生命力などの霊的なものをいう。
例文
- 伝承では、河童は川へ引きずり込んだ人の尻子玉を抜くといわれる。
- 「深い淵に近づくな。河童が尻子玉を抜くぞ」と、祖父は子どもたちを戒めた。
- 怪談を聞いた彼は、尻子玉を抜かれたように顔を青くして黙り込んだ。
分類
類義語
- 肝を抜く
- 度肝を抜く
- 魂を抜かれる
対義語
- 気を取り直す
- 気力を取り戻す