尻子玉を抜く
読み方:しりこだま を ぬく
意味
河童が人を水中へ引き込み、尻から「尻子玉」という生命力や魂に相当すると考えられた想像上の玉を抜き取る、という伝承をいう。転じて、人をひどく驚かせて気力を失わせること、または非常に驚いて呆然とすることを表す場合がある。
由来
河童にまつわる日本の民間伝承に由来する表現で、成立時期を一点に定めることはできない。江戸時代中期、寺島良安の和漢三才図会(正徳2年・1712年)には、水虎(河童)が人の尻から玉を抜くという趣旨の記述が見られる。尻子玉は実在の器官ではなく、生命力・魂などと結び付けて想像されたものとされる。
備考
河童伝承に基づく古風な表現で、現代では「尻子玉を抜かれる」の形で、ひどく驚く意に用いられることが多い。「尻」という語を含むため、改まった場での比喩使用には注意が必要。
別表記
- 尻小玉を抜く
誤用・混同注意
- 「尻子玉」を実在する身体器官や金玉のことだと理解するのは誤り。河童伝承上の想像上の玉である。
- 単に尻を触る・尻を傷つけるという意味ではない。
例文
- 昔話では、河童は川へ引き込んだ人の尻子玉を抜くと語られている。
- 背後で突然大声を出され、尻子玉を抜かれたように立ちすくんだ。
- その怪談の語り手は、聞き手の尻子玉を抜くほど不気味な声をしていた。
分類
類義語
- 肝をつぶす
- 度肝を抜く
- 腰を抜かす
- 魂を抜かれる