女は乱の基
読み方:おんな は らん の もと
意味
女性、とりわけ権力者に寵愛される女性が、為政者を惑わせて政治や国家の秩序を乱し、争いや滅亡を招く原因になる、という古い考え方を表す。現代では女性を一方的に責める偏見を含む表現であり、通常は歴史的・批判的な文脈で用いる。
由来
中国の古い史書・説話で、夏の桀王が妹喜、殷の紂王が妲己、周の幽王が褒姒に溺れて国を乱し滅ぼしたと語られることに基づく。これらの説話は古代中国から伝わり、成立年を一つに特定できる表現ではないが、関連する史書は主に前漢期(紀元前2~1世紀)までに編纂された。日本では上方いろはかるたの「お」の札としても知られる。
備考
上方いろはかるたの「お」。女性を災いの原因とみなす性差別的な旧来の価値観を含むため、現代の日常会話で肯定的に使うのは避け、引用・批判の文脈で扱うのが望ましい。
別表記
- 女は乱の元
- 女は乱のもと
誤用・混同注意
- 「乱」を単なる恋愛上のもめごとと解するのは不正確で、本来は国家・政治・社会の秩序が乱れることを指す。
- 女性が実際に国家を乱すという普遍的事実を述べたことわざだと受け取るのは不適切で、権力者の失政を女性に帰した歴史的偏見を反映する表現である。
例文
- 歴史小説の中で、家臣は「女は乱の基」と言って君主の寵姫を非難した。
- 彼は失政の責任を女性に負わせ、「女は乱の基」と決めつけたが、それは偏見に満ちた見方だ。
- このことわざは、権力者の失敗を女性のせいにしてきた歴史的な価値観を示す例として授業で取り上げられた。
分類
類義語
- 傾城傾国
- 女色は身を滅ぼす
- 美女は国を傾く
対義語
- 女は家の宝
対比・対照ことわざ
- 女は家の宝