地獄への道は善意で舗装されている
読み方:じごくへの みち は ぜんいで ほそうされている
意味
よい目的や親切心から始めた行為でも、十分な配慮・知識・責任ある実行が伴わなければ、かえって悪い結果や大きな害を招くことがあるという戒め。善意そのものを否定するのではなく、意図だけでなく結果と手段にも責任を持つべきだという意味。
由来
西洋に由来する警句。12世紀の神学者クレルヴォーのベルナールが「地獄は善い意志と願望で満ちている」という趣旨を述べたことに先例があるとされる。英語の「Hell is paved with good intentions」は、サミュエル・ジョンソンの1775年の発言として、ジェイムズ・ボズウェルが1791年刊の伝記に記録した形で広まった。現在の「地獄への道は…」はその定着した英語表現を日本語に訳したもの。
備考
教訓的・批評的な文脈で用いる西洋由来の警句。相手の親切心を頭から非難するためではなく、善意に結果の検証や配慮が伴わない危険を指摘する表現である。
別表記
- 地獄への道は善意で敷き詰められている
- 地獄への道は善意で敷かれている
- 地獄は善意で舗装されている
誤用・混同注意
- 「善意や親切は悪である」という意味に取るのは誤り。善意だけで満足し、結果への配慮や責任を欠くことへの戒めである。
- サミュエル・ジョンソンが現在の英語形「The road to hell is paved with good intentions」をそのまま言ったとするのは不正確。ボズウェルの記録にあるのは「Hell is paved with good intentions」という形である。
例文
- 十分な調査をせずに支援制度を変えた結果、かえって利用者を困らせてしまった。地獄への道は善意で舗装されている、ということを忘れてはいけない。
- 本人の希望を聞かずに進路を決めるのは親切のつもりでも危険だ。地獄への道は善意で舗装されていると言うように、善意だけでは足りない。
- この企画は社会をよくしたいという思いから始まったが、副作用への対策が必要だ。地獄への道は善意で舗装されているのだから。
分類
類義語
- 善意が仇となる
- 良かれと思ってしたことが裏目に出る
- 小さな親切大きなお世話