地獄の鬼にも情け
読み方:じごくの おににも なさけ
意味
地獄で罪人を責めさいなむ恐ろしい鬼でさえ、時には哀れみや思いやりの心を示すということ。ふだん非常に冷酷・無慈悲に見える人にも、わずかな人情や慈悲の心はあることのたとえ。
由来
地獄で亡者を責めるとされる鬼を、冷酷無比な存在の代表として用いた日本の仏教的な地獄観に基づくことわざである。成立した正確な年代や、特定の典拠となる文献は明らかではないが、近世までに広く用いられるようになったと考えられる。
備考
冷酷そうな人物にも人情があることを、やや意外さを込めていう表現。「鬼」に対する否定的な比喩を含むため、実在の相手を直接「鬼」と呼ぶ場面では配慮が必要。
別表記
- 地獄の鬼にも情けあり
- 地獄の鬼にも情けはある
例文
- あの厳格な部長も、病気で休んだ部下には見舞いの品を送った。地獄の鬼にも情けということだ。
- 取り立ての担当者は融通が利かないと思っていたが、事情を話すと返済期限を延ばしてくれた。地獄の鬼にも情けだ。
- 普段は容赦なく叱る祖父が、孫の涙を見ると黙って菓子を差し出した。まさに地獄の鬼にも情けである。
分類
類義語
- 鬼の目にも涙
- 悪人にも情け
対義語
- 情け容赦もない
- 冷酷無情