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地獄の釜の蓋が開く

読み方:じごくの かまの ふたが あく

意味

本来は、正月十六日と七月十六日の「藪入り」をいう。地獄ではこの日に釜の蓋が開き、責め苦を受ける亡者さえ休ませてもらえると信じられたことから、奉公人なども休暇を得て実家へ帰る日とされた。転じて、厳しい勤めや苦しみの中にも休息・猶予が与えられることを表す。

由来

仏教的な地獄観・十王信仰に基づく民間信仰に由来する。正月十六日と七月十六日は閻魔の縁日(閻魔賽日)で、この日は地獄の亡者も責め苦を休むため「地獄の釜の蓋が開く」と考えられた。江戸時代(17~19世紀)には、奉公人が実家へ帰る休暇日「藪入り」の説明として広く定着した。句そのものの初出年は不明。

備考

現代では日常的な比喩としてより、藪入り・閻魔の縁日を説明する季節語・民俗語として用いられることが多い。「蓋が開く」を災厄の始まりと解するのは本来の意味ではない。

別表記

  • 地獄の釜の蓋も開く
  • 地獄の釜のふたが開く
  • 地獄の釜のふたも開く

誤用・混同注意

  • 「地獄の釜の蓋が開く」を、恐ろしい出来事や災厄が始まるという意味で解するのは誤り。本来は、地獄の亡者にも休みが与えられる日、すなわち休息・休暇を示す表現である。

例文

  • 正月十六日は地獄の釜の蓋が開く日とされ、昔の奉公人にとっては待ち遠しい藪入りだった。
  • 店は年中忙しいが、藪入りだけは地獄の釜の蓋が開くように皆で休みを取った。
  • 祖母は七月十六日になると、「今日は地獄の釜の蓋が開く日だよ」と昔の習わしを話してくれた。

分類

類義語

このことわざに使われている漢字