命は鴻毛より軽し
読み方
いのち は こうもう より かるし
意味
「鴻毛」とは大きな雁の羽で、非常に軽いもののたとえ。人の死、転じて命が、果たす目的や生き方によっては羽毛ほどにも軽い、すなわち取るに足りないものになり得るという文語的表現である。原典では「泰山より重い死」と対比し、死の価値は目的によって異なると説く。
由来
前漢の歴史家・司馬遷が紀元前93年頃に著したとされる「報任安書(ほうじんあんしょ/任少卿に報ずる書)」に由来する。本文の「人固有一死、或重於泰山、或軽於鴻毛(人は固より一死あり、あるいは泰山より重く、あるいは鴻毛より軽し)」を踏まえた表現である。「鴻」は大きな雁、「鴻毛」はその羽を指す。
分類・由来
備考
文語的で、日常会話ではあまり用いない。命を軽視する表現と受け取られるおそれがあるため、原典の「泰山より重い死」との対比や歴史的文脈を踏まえて使うのが望ましい。
例文
- 司馬遷の「命は鴻毛より軽し」という言葉は、死の価値が何のために生き、死ぬかによって異なるという文脈で読まれる。
- 戦時中には、「命は鴻毛より軽し」として個人に犠牲を求める言説が用いられたことがある。
- 小説の主人公は「命は鴻毛より軽し」とつぶやき、仲間を救うため危険な任務へ向かう決意を示した。
類義語
- 鴻毛より軽い
- 命を軽んずる
- 身命を顧みない
対義語
- 死は泰山より重し
- 命を重んずる
- 命は地球より重い