君子は死すとも冠を落とさず
読み方:くんし は しす とも かんむり を おとさず
意味
徳のある立派な人物は、どんな危機や死に際にあっても、礼節・品位・信念を失わないという意味。転じて、困難な状況でも自分の信条や人としての誇りを守り通すべきだという教えを表す。
由来
中国の古典『春秋左氏伝(左伝)』哀公十五年に記された、孔子の弟子・子路の最期の故事に由来する。衛の内乱で襲われた子路は、冠のひも(纓)を切られると「君子死すとも、冠免れず(君子死、冠不免)」と言ってひもを結び直し、礼を正したまま死んだとされる。
備考
「冠」は古代中国で成人男性が着けた礼装・身分の象徴で、品位や礼節を表す。現代では男女を問わず用いるが、やや硬く文語的な表現。類形に「君子死して冠を脱がず」がある。
例文
- 不正な利益を受け取らなかった彼の姿勢は、まさに「君子は死すとも冠を落とさず」だ。
- 会社が苦境にあっても顧客への説明責任を果たすべきであり、君子は死すとも冠を落とさずという精神を忘れてはならない。
- 周囲に妥協を勧められても、彼女は君子は死すとも冠を落とさずとばかりに、自らの信念を貫いた。
分類
類義語
- 初志貫徹
- 節を守る
- 武士は食わねど高楊枝
- 清節を守る
- 志を曲げない
対義語
- 節を曲げる
- 信念を捨てる
- 迎合する
- 体面をかなぐり捨てる