剃刀の刃を渡る
読み方:かみそりの はを わたる
意味
きわめて危険で、少しでも判断や行動を誤れば大きな災難や失敗につながりかねない状況に身を置くことのたとえ。剃刀の鋭い刃の上を渡るほど、危険で困難な行為を表す。
由来
仏教経典の『大般涅槃経』に由来するとされる。仏の教えや戒めを正しく守り続ける難しさを、剃刀の鋭い刃の上を渡ることにたとえた表現である。経典はインドで4〜5世紀頃までに成立し、中国では5世紀前半に漢訳されたとされる。
備考
実際に剃刀の刃を渡る意味ではなく、極度の危険や緊張を伴う事態をいう。多くは「剃刀の刃を渡るような状況」「剃刀の刃を渡る思い」の形で用いる。尾張いろはかるたの「か」にも採られている。
別表記
- かみそりの刃を渡る
- 剃刀の刃の上を渡る
誤用・混同注意
- 「剃刀の歯を渡る」と書くのは誤り。正しくは、切る部分を指す「刃」を用いて「剃刀の刃を渡る」という。
- 単に大胆な挑戦をほめる意味ではなく、失敗すれば重大な結果を招きうるほど危険な状況を表す。
例文
- 十分な安全確認をせずに断崖を登るのは、剃刀の刃を渡るような行為だ。
- 敵対企業との交渉は、一つの発言で決裂しかねず、剃刀の刃を渡る思いだった。
- 資金も人手もないまま大事業を始めるのは、剃刀の刃を渡るような挑戦である。