信心も金次第
読み方:しんじん も かねしだい
意味
信仰や宗教上の行いのように、本来は金銭と無関係であるはずのものまで、実際には金の有無や額によって左右されがちだということ。寄進・供養・寺社との関係などに金銭的な差が表れることを、批判的・皮肉にいう。
由来
正確な初出文献や成立年は未詳である。江戸時代(17~19世紀)の貨幣経済が浸透した町人社会で、寺社への寄進や供養などにも金銭の差が及ぶ現実を皮肉って生まれ、広まったと考えられる。「地獄の沙汰も金次第」と同じく、金銭の影響力を誇張した表現である。上方いろはかるたの「し」の札としても知られる。
備考
宗教そのものを否定する言葉ではなく、信仰や宗教行事が金銭で左右される状況を風刺する表現である。真剣な信仰を持つ人に対しては、軽々しく用いないほうがよい。
別表記
- 信心も銭次第
誤用・混同注意
- 「金を払えば必ず真の信仰が得られる」という教えだと受け取るのは誤り。金銭が信仰や宗教行為にまで影響する現実を皮肉った表現である。
例文
- 寄進額によって寺での扱いが違うように見えるとは、まさに信心も金次第という皮肉だ。
- 豪華な法要ばかりを競う様子を見て、祖父は「信心も金次第になってはいけない」と嘆いた。
- 彼は、信仰の場にまで経済格差が及ぶ社会を「信心も金次第」と批判した。