仏の正面鬼子母神
読み方:ほとけ の しょうめん きしもじん
意味
もとは子どもを害する恐ろしい鬼であった鬼子母神も、仏の教えによって改心し、子どもを守る神となったということから、どんな悪人でも心を入れ替え、教え導かれれば善人になり得ることのたとえ。
由来
鬼子母神は、古代インド仏教の説話に登場する女鬼ハーリティーに由来する。多くの子を持ちながら他人の子を食べていた鬼子母神が、釈迦に末子を隠されて母の悲しみを知り、改心して子どもの守護神になったという伝承を背景とする。ことわざとしての成立時期は明確ではないが、江戸時代には上方いろはかるたの「ほ」の札として定着した。
備考
「正面」は仏の前、という意味であり、「仏に正面から対抗する鬼」という意味ではない。鬼子母神は現在、安産・子育ての守護神として信仰される。上方いろはかるたの「ほ」。
別表記
- 佛の正面鬼子母神
誤用・混同注意
- 「仏の前にも恐ろしい鬼がいる」という意味に解するのは誤り。鬼子母神が仏の教えで改心したことをいう。
- 鬼子母神を現在も単に「子どもを食べる悪鬼」とするのは不正確。説話では改心後、子どもを守る神となる。
例文
- かつて横暴だった部長も、部下の気持ちを理解してからは親身な人になった。まさに仏の正面鬼子母神だ。
- 彼は若いころに多くの失敗をしたが、今は更生支援に尽くしている。仏の正面鬼子母神ということもある。
- 罪を犯した人を最初から見放すのではなく、改心の機会を与えるべきだ。仏の正面鬼子母神という言葉もある。
分類
類義語
- 過ちて改めざる、これを過ちという
- 悪人正機