仏に逢えば仏を殺せ
読み方:ほとけに あえば ほとけを ころせ
意味
禅で、仏や師の教え、経典、権威などにさえ執着してはならないという教え。悟りを得るためには、外から与えられた観念や絶対視している対象を打ち破り、自分自身で真理を体得せよという意味である。「殺せ」は実際に傷つける意味ではない。
由来
中国・唐代(9世紀)の臨済宗の祖、臨済義玄(?~866年)の語とされる。語録である臨済録に「逢仏殺仏、逢祖殺祖」とあり、仏に会えば仏を、祖師に会えば祖師を「殺せ」と説く。これは仏や祖師という権威・観念への執着を断てという禅の逆説的表現で、日本にも禅語として伝わった。
備考
禅宗の強い逆説表現であり、暴力や仏教への敵意を勧める語ではない。日常会話では、権威・先入観・師への盲従を超えるという比喩として用いられる。
別表記
- 仏に会えば仏を殺せ
- 仏に逢えば仏を殺せ、祖に逢えば祖を殺せ
- 仏に会えば仏を殺せ、祖に会えば祖を殺せ
- 仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ
誤用・混同注意
- 実際に仏像・僧侶・他者を殺すべきだという意味に解釈するのは誤り。ここでの「殺す」は、権威や観念への執着を断ち切るという比喩である。
- 仏教や師の教えを全面的に否定せよという意味ではない。教えを絶対視して自ら考えることを失わないよう戒める禅の表現である。
例文
- 師の説明をただ暗記するのでなく、自分で確かめて理解しなさい。禅の言う「仏に逢えば仏を殺せ」という姿勢も必要だ。
- 彼は有名な学者の説を無批判に受け入れず検証した。既成の権威を乗り越えるという意味で、仏に逢えば仏を殺せを実践しているともいえる。
- 「仏に逢えば仏を殺せ」は、信仰を捨てよという意味ではなく、教えそのものへの執着から自由になれという禅語である。
分類
類義語
- 逢仏殺仏
- 逢仏殺仏、逢祖殺祖
- 自灯明法灯明
対比・対照ことわざ
- 自灯明法灯明
- 守破離