一飯の徳を報ず
読み方:いっぱん の とく を ほうず
意味
たとえ一度の食事をごちそうになった程度の小さな恩であっても、その恩を忘れず、必ず報いるべきだということ。受けた親切に深く感謝し、相応の形で返す心をいう。
由来
中国の歴史書『史記』淮陰侯列伝に見える、前漢初期(紀元前3~2世紀ごろ)の武将・韓信に関する記述に由来する。「一飯之徳必償、睚眦之怨必報(ひとたび食を与えられた恩は必ず報い、わずかな恨みも必ず報いる)」と評されたことから、「一飯の徳を報ず」という形で用いられるようになった。
備考
「徳」はここでは人格的な徳ではなく、他人から受けた恵み・恩恵を指す。原典には恨みも必ず報いるという続きがあるが、日本語では主に恩に報いる意味で使う。
例文
- 学生時代に食事をごちそうしてくれた恩師には、一飯の徳を報ずるつもりで、社会人になってからも折に触れて近況を報告している。
- 彼は新人時代に助けてもらった先輩の会社が困っていると聞き、一飯の徳を報ずる思いで支援を申し出た。
- 小さな親切でも忘れない。一飯の徳を報ずという気持ちを大切にしたい。
分類
類義語
- 一飯千金
- 一宿一飯の恩義
- 滴水の恩、湧泉をもって報ず
対義語
- 恩を仇で返す
- 恩を忘れる
- 忘恩