一膳飯は餓鬼の餌
読み方:いちぜんめし は がき の え
意味
飯を一膳だけ食べるのは、餓鬼に供える食べ物のようで縁起が悪いから、人間ならもう少し食べるべきだ、という古い言い回し。食の細い人や、一杯で食事を終える人をからかったり、もっと食べるよう勧めたりする際にいう。
由来
成立時期や初出は明確ではない。仏教における、飢えに苦しむ亡者である「餓鬼」の観念と、日本の死者・餓鬼への供食習俗に結び付いて生まれた民間のことわざとされる。一膳だけの飯を餓鬼への供え物になぞらえ、人は一膳で食事を済ませるものではないという考えを表した。
備考
現代では日常的に用いることは少なく、古い食習慣・縁起担ぎを伝える表現である。少食を否定する合理的な根拠はなく、健康状態や本人の意思を尊重する必要がある。
別表記
- 一膳飯は餓鬼の飯
- 一膳飯は鬼の飯
誤用・混同注意
- 「一膳飯」は「一善飯」ではない。「膳」は食事一回分・食器を表す字である。
- 現代でも一杯だけ食べることが禁忌・無作法だと受け取るのは誤り。仏教的な観念を背景とする古い民間の言い伝えである。
- 「餓鬼」は単なる悪口ではなく、ここでは仏教でいう飢えに苦しむ亡者を指す。
例文
- 祖母は、私がご飯を一杯で断ると、「一膳飯は餓鬼の餌というから、もう少し食べなさい」と笑った。
- 昔の食習慣を紹介する資料には、一膳飯は餓鬼の餌という言い伝えが載っている。
- 食が細い弟に父が一膳飯は餓鬼の餌だと言ったが、無理に食べさせるための言葉としては今では慎重であるべきだ。
分類
類義語
- 一膳飯は餓鬼の飯
- 一膳飯は鬼の飯
対義語
- 腹八分目に医者いらず
- 小食は長生きのしるし
対比・対照ことわざ
- 腹八分目に医者いらず
- 小食は長生きのしるし