一膳飯は食わぬもの
読み方:いちぜんめし は くわぬ もの
意味
たとえ一膳の飯のような小さなもてなしでも、人から受ければ恩義や義理が生じ、後で頼み事をされた際に断りにくくなる。安易に他人の世話や利益を受けるべきではない、という戒め。
由来
正確な成立年や最初の出典は未詳である。江戸時代には、他人から受けた一飯の恩を重く見る義理の観念を表すことわざとして用いられ、尾張いろはかるたの「い」の札にも採られた。
備考
「一膳飯」は一人前の食事の意。「食わぬ」は古風な否定表現である。現代では文字どおりの食事だけでなく、接待・贈答・便宜などを安易に受けないという意味でも用いる。
別表記
- 一膳飯は食わぬ物
誤用・混同注意
- 「一膳だけ食べて二膳目を食べてはいけない」という食事量についての戒めではない。
- 一度だけの食事なら気軽におごってもらってよい、という意味ではない。小さなもてなしにも恩義やしがらめが伴うことをいう。
例文
- 利害関係のある取引先からの接待について、祖父は「一膳飯は食わぬものだ」と言い、安易に受けるなと戒めた。
- 彼は一膳飯は食わぬものという考えで、見返りを求められそうな相手からの食事の誘いを丁重に断った。
- わずかな親切でも恩義が生じるという、一膳飯は食わぬものの感覚は、昔の義理人情をよく表している。
分類
類義語
- 一宿一飯の恩
- 一飯の恩
- 一飯の徳
対比・対照ことわざ
- 一宿一飯の恩
- 一飯の恩