ピュロスの勝利
読み方:ぴゅろす の しょうり
意味
戦いには勝ったものの、犠牲や損害があまりに大きく、実質的には敗北に近い勝利のこと。目先の勝ちを得るために人員・資金・信用などを失い、今後の戦いや目的達成が難しくなる状況をいう。
由来
古代ギリシアのエペイロス王ピュロスが、紀元前279年ごろのアスクルムの戦いでローマ軍を破った際、自軍にも大きな損害が出たことに由来する。伝承ではピュロスは「ローマ人にもう一度このような勝利を収めれば、われわれは滅びる」と語ったとされる。プルタルコスの『対比列伝』にその逸話が記され、英語の「Pyrrhic victory」を経て日本語でも定着した。
備考
軍事以外にも、企業競争・政治・交渉・スポーツなどで用いる。単に僅差で勝つ意味ではなく、勝利の代償が利益を上回る場合に使う。
別表記
- ピュロス的勝利
誤用・混同注意
- 単に「辛勝」や「僅差の勝利」という意味で使うのは不正確。勝利による損害・犠牲が非常に大きく、実質的な利益が乏しいことが要点。
- 「ピュロスの敗北」とするのは誤り。結果としては勝利したが、その代償が大きすぎたことをいう。
例文
- 価格競争には勝って市場占有率を伸ばしたが、利益もブランド力も失ったのではピュロスの勝利にすぎない。
- 訴訟で勝訴したものの、長期化によって取引先との信頼関係を失ったなら、それはピュロスの勝利だ。
- この選挙で辛うじて議席を守れても、党内の対立を深めるならピュロスの勝利になるだろう。
分類
類義語
- 代償の大きい勝利
- 割に合わない勝利
- ピュロス的勝利
対義語
- 完勝
- 圧勝
- 損少利大