かわいい子には旅をさせよ
読み方:かわいいこ には たびを させよ
意味
本当に子どもを大切に思うなら、いつまでも親元で甘やかすのではなく、旅や未知の環境に出して苦労や経験を積ませるべきだ、という意味。ここでいう「旅」は観光旅行に限らず、親の保護を離れて世の中を知り、自立心やたくましさを身につける経験を指す。
由来
作者や最初の出典、正確な成立年は未詳である。交通・宿泊などが今より危険で不便だった近世(江戸時代)には、旅は見聞を広め、苦労を通して人を鍛える機会と考えられていた。そのため、愛する子ほど安易に囲い込まず、世間に出して経験を積ませるという親の教育観を表すことわざとして定着した。江戸いろはかるたの「か」の札としても知られる。
備考
現代では実際の旅行だけでなく、進学・留学・就職などで親元を離れ、困難や責任を経験させる意味でも使う。子どもの年齢・安全・意思を無視して苦労を強いる趣旨ではない。
別表記
- 可愛い子には旅をさせよ
誤用・混同注意
- 「旅」だけを文字どおりの観光旅行と限定して理解するのは不十分。親の保護を離れて社会経験を積むことのたとえでもある。
- 子どもに無条件で厳しい苦労を強いるべきだという意味ではない。自立を促すために経験の機会を与える、という趣旨である。
例文
- 息子が初めて一人で地方の学校へ進学するので心配だが、かわいい子には旅をさせよという気持ちで送り出した。
- 過保護になりすぎず、子どもに失敗を経験させることも必要だ。まさに、かわいい子には旅をさせよである。
- 祖父は「若いうちに海外で暮らしてみなさい。かわいい子には旅をさせよと言うだろう」と孫の留学を後押しした。
分類
類義語
- 獅子の子落とし
- 獅子は我が子を千尋の谷に落とす
- 若いうちの苦労は買ってでもせよ
対比・対照ことわざ
- 獅子の子落とし
- 若いうちの苦労は買ってでもせよ