あくちも切れぬ
読み方:あくち も きれぬ
意味
相手の人格・行いが立派であったり、恩義や世話を受けていたりして、悪く言おうとしても言い出せないこと。相手を非難する余地がない、または非難するのがはばかられるという意味で使う。
由来
成立時期や初出を特定できる文献は不明。話を言い始めることを「口を切る」という日本語の慣用表現に、「悪口」を組み合わせてできた言い回しである。「切れぬ」は古い否定形で、「切れない」に当たる。
備考
「切る」は関係を断つ意味ではなく、「口を切る」、すなわち話し始める意。「悪口」はこの句では「あくち」と読む。相手の立派さだけでなく、恩義などから批判しにくい場合にも用いる。
別表記
- 悪口も切れぬ
- 悪口も切れない
補足
- 「切れぬ」を『関係を断てない』という意味に解するのは誤り。ここでは「口を切る(話し始める)」から、悪口を言い出せないことをいう。
- この句の「悪口」は「あっこう」ではなく「あくち」と読む。
例文
- 取引先には創業時から大きな支援を受けてきたので、多少不満があっても悪口も切れぬ。
- 彼は誰に対しても誠実に尽くしてきた人だから、競争相手の私でさえ悪口も切れぬ。
- 恩師については考え方の違いもあるが、受けた恩を思えば悪口も切れぬものだ。
分類
類義語
- 悪く言えない
- 非難しがたい
- 非の打ち所がない
- 文句のつけようがない
対義語
- 悪しざまに言う
- 口を極めて非難する
- 悪口雑言を浴びせる